十二大戦 感想

■概要・感想(ネタバレなし)

放送終了から少し時間が経ってしまいましたが,アニメ「十二大戦」の感想を記載します。

十二大戦は,集英社の漫画雑誌で合同で行われた企画「大斬―オオギリ―」にて発表された「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」を元に書かれた小説が原作です。
大斬は西尾維新原作の短編ネームにいろいろな漫画家が作画する企画で,十二大戦は「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の漫画のキャラデザをベースに書いているそうです。
私は原作小説は読んでおりませんが,「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」は事前に拝見しております(大斬は一通り拝見してコミックスも購入しました)。

大斬─オオギリ─ (ジャンプコミックスSQ.)
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アニメ十二大戦は最終話が「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」にちょいと話を足したくらいの構成になっており,大斬を楽しく読んでいた私にはとてもよかったです。
最終話を元に十二大戦本編が書かれているため最後のオチありきの話のように感じられ,そこだけネタを知っていたこともあり小気味良かったです。
良くも悪くも西尾維新らしさのある作品なので,西尾維新ファンの方はぜひ大斬を買ってよんでいただきたいです(十二大戦については未読なので偉そうなことは言いません)。
また,ジャンプ+で漫画が連載されているので,追いかけてみるのもよいかと思います。

以下,ネタバレありで感想を記載します。
内容を把握している方向けの記載となりますのでご注意を。

■感想(ネタバレあり)

(以下,ネタバレありのため少し空行を入れておきます)

さて,自分のように大斬既読の方は十二大戦の原作小説やアニメを見始めた時点で,どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願いのオチ≒結末(≒寝住が勝者ということ)がわかってしまうわけですが,それでも本作は十分におもしろい,というか,オチの良い引き立て役になってくれていてとても良いと思います。
アニメで言うと12話が最終話なので,11話までで11人が死ぬというなかなかハイペースな進行なのですが,そのくせ最終話をまるまる使って寝住の葛藤や苦悩について時間をかけて描いておいて結局最後は願いを放棄するという,このオチありきの構成と思っています。
この辺りは,刀語の錆白兵とか物語シリーズのタイトルとヒロインがずれている様子などと同じような一昔前の西尾維新然としていて大変好みです。
特にこの話はオチ(どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い)の方が本編(十二大戦)より早くリリースされているので,作者がそれを逆手にとって狙ってやっているのかと想像しています。

オチ以前では,失井さんが妬良さんに贈った下記の言葉が印象的でした。

Q. どうすれば正しいことができるか?
A. ①まず,正しいことをしようとする。
  ②次に,正しいことをする。

聞いた直後はなんだそれという印象だったのですが,上記のセリフの後の説明を聞くとわりと良いこと言ってるなと感心してしまいました。
要は「やろうとしていないからできないんだ」というだけの話なんですが,説明の仕方でかなり印象が変わりますね。

あとは,オープニングテーマのラプチャーの巻き舌が気になりました。良い意味で。

放送中は大体1話に1人がピックアップされ,その後で散っていく様にいろいろと考えたものですが,最終話を見てしまうとやはり最終話のオチばかりが印象に残ってしまい,他についてあまり感想を書けなくなってしまいました。
好き嫌いはあるかと思いますが,私の中ではかなり好きな部類のアニメの最終話でした。
むしろ最終話のために見て,最後の肩透かしな感じを楽しむアニメと思っています。

西尾維新作品としては物語シリーズや忘却探偵シリーズの方がスタイリッシュで人気が出やすいと思いますが,このアニメはそれらとは別の方向でおもしろかったので,こちらももっと多くの人に見られることを願います。

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